書籍「アイデアのつくり方」のまとめです。
- 作者:ジェームス W.ヤング
- 発売日: 1988/04/08
- メディア: 単行本
中身は、書籍のままであることが多いですが、自分なりの言葉に変換し、実際に使える形にまとめてみました。文章をそのまま引用した部分は引用符をつけています。
アイデアをつくるための基本的な流れ
アイデアをつくる、閃くために必要なステップは以下の5つです。この詳細が本に記載されています。
- 得たいアイデアに関する情報を大量にインプットをする
- インプットした結果、得た情報をいろいろ組み合わせたり、妄想したりしてアイデアを発散させる
- 一度完全に忘れて、寝かせて、閃くのを待つ
- 閃く
- 一気に具体化させて検証する
本のまとめ
原理と方法
どんな技術を習得する場合にも、学ぶべき大切なことはまず第一に原理であり、第二に方法である。これはアイデアを作り出す技術についても同じことである。
アイデアをつくるためには、
アイデアの源泉にある原理を把握する
ことが必要。この原理を把握することで、新しいアイデアを閃くことができる。
ではその原理を把握するにはどうするか。
アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない
つまり既存の要素/事物に潜んでいる関連性を見つけ出すことで、そこから一つの原理を引き出すことができる。
しかし、この関連性を見つけ出すには、それなりの訓練が必要になる。
この習性を訓練する良い方法は、社会科学の勉強をやること。
社会科学を学びながら、事物と事物の関連性を探る能力を身につけられる。
アイデアを作り出す5つの段階
ここからが本題。
事物と事物の関連性を見つけ出し、原理を理解し、新しいアイデアをつくるために必要な具体的な方法として、5つの段階を経る必要がある。
1. 資料を収集する
一番大切な、一番無視されがちな段階。
集める資料は、特殊資料と一般資料の2種類。
特殊資料は、ビジネスの場合、製品とその商品を売りたい人々についての資料を指す。資料と言っても紙やネットにある情報だけではなく、自分の手足を動かして、実証した情報も指している。(人にヒアリングする、実際に自分が体験する、社会を観察する、など)
特殊知識はいわゆる業界特有の知識とも言えるかもしれない。
一般的資料は、世の中の様々な出来事を指している。あらゆる方面のどんな知識でもむさぼり食うくらいの興味が必要。
資料を探す作業は、根気が必要であるため、大抵の人は早めにやめてしまう。表面的な部分だけを捉えて、そこには何も相違がないと決めてしまう。しかし、十分深く掘り下げていくと、全ての製品と消費者の間に、関係の特殊性が見つかる。
この、特殊「知識」と一般的「知識」との新しい組み合わせから、アイデアが生まれてくる。
2. 集めた情報を咀嚼する
集めてきた情報を様々な角度から考えてみる。
一つの事物を取り上げ、視点(自分、顧客、友人、他人など)や視野(具体化、抽象化)を変えて観察してみる。 また、一般的知識と特殊知識を並べて類似点や相違点を探してみる。
そうすることで事物の本質や関係を見つけることができる。
何度も繰り返し、組み合わせを考え続ける。もう本当にこれ以上組み合わせが存在しないと感じ、それでも何もはっきりと閃いておらず絶望状態になったら、第二段階は完了になる。
3. 完全に忘れる
ここまできたら、一度問題を完全に放棄する。できるだけ心の外に放り出して、別のことに集中する。
4. 閃く
完全に問題を放棄してしばらく経ったら、突然新しいアイデアが閃く。この瞬間が第四段階であり、すぐ次の第五段階に移る。
5. アイデアを練り込む
閃いたアイデアを現実の世界で検証してみる。どうすれば実現できるかを徹底的に考える。しかし、ほとんど全てのアイデアが社会ではやっていけないアイデアであることに気づく。そこで諦めてしまわずに、様々な手を考え、仮説検証する必要がある。忍耐や想像力、仮説力が問われる場面となる。
アイデアつくりは難しいが誰にでもできる
この本の冒頭には、
説明は簡単至極だが実際にこれを実行するとなると最も困難な種類の知能労働が必要なので、この公式を手に入れたと言っても、誰もがこれを使いこなすというわけにはいかないということである。
と記載されています。
確かに読み通して、以下のような能力が必要になると感じました。
- あらゆることにアンテナを張って情報を収集する能力
- アイデアをつくりたい業界の専門的知識を理解する能力
- 事物を抽象化して、比較したり、組み合わせる能力
- ひたすら考え続ける集中力
- 諦めないメンタル
これだけの能力が揃って初めて世の中に送り出せる立派なアイデアが生まれるということで、なんとなくの閃きから来るものではないことがよくわかりました。
逆に、アイデアをつくる、というのは先天的な才能でも何でもなく、しっかりと前述の能力を身につけることで、誰でもアイデアをつくり、世に出せるということです。
最後に
この本は、1988年に初版が発行されおり、かなり古いため、文章が読みにくいと感じる方もいるのではないかと思いました。そんな方々の読む前や読んだ後の一助になれば幸いです。